〔おもしろ雑学〕
「金色夜叉」の「今月今夜」とはいつ?
尾崎紅葉の『金色夜叉』に「来年の今月今夜…僕の涙で必ず月を曇らしてみせる」という有名な一節がある。ダイヤモンドに目が眩んで心変わりしたお宮を貫一が足蹴にして吐く名台詞である。
原典によれば「一月十七日、宮さん、善く覚えてお置き」とあるところから、「今月今夜」というのは、1月17日のことである。これに因んで、物語の舞台となった熱海市では1月17日に「紅葉祭」を催している。
この小説は実話がもとになっている。児童文学者の巌谷小波が貫一のモデル、芝の高級料亭の女給、須磨がお宮のモデル。須磨を横取りされた巌谷は大して怒ってもいなかったのだが、友人である紅葉は料亭に乗り込み須磨を足蹴にしたという。