作者:
前大僧正慈円(平安末期~鎌倉初期の天台宗の僧。藤原忠通の子。九条良経の叔父)
原文:
おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつ杣に 墨染の袖
読み:
おほけなく うきよのたみに おほふかな わがたつそまに すみぞめのそで
解釈:
わが身に過ぎたことながら、このつらい世を生きる民の上に覆いかけることです。比叡山に住みはじめた私の、この墨染めの衣の袖を。
〔末吉〕末吉といえどもまだ吉の中にあります。油断することなく身を正して暮らしましょう。