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〔おみくじの和歌(百人一首)〕

 おみくじを引くと、和歌が添えられていますが、この「おみくじに付いてくる和歌」、あるいは「おみくじに付ける和歌」とは一体何なのでしょうか。このように「おみくじの和歌」について疑問を持つ人が多いです。

 おみくじに和歌を添えるのは、本来はこの和歌の内容から運勢を占うという基本的な考え方、習わしがあるからなのです。






 一般に神社のおみくじでは和歌が添えられるのが普通ですが、明治神宮などの神社では御製や御歌が添えられています。また、寺院のおみくじでは漢詩が添えられていることもあります。寺院で漢詩が添えられるのは、おみくじのルーツである「元三大師」が僧侶だったことに由来しています。

 おみくじに和歌が添えられる理由は、古来より日本の神々は和歌を詠むとされ、神からのご託宣(お告げ)も和歌の形で示されることが多かったからとされます。

 神々は夢枕に立ったり、あるいは神の意を受けて信者と言葉を交わす巫女を通じて、和歌を用いて大事なお告げを伝えてくれるのです。人々はその和歌を解釈し自分の願い事などを占います。

 一般人には和歌を解釈するのは相当な困難を伴うこともあり、普通のおみくじでは、運勢の概略説明が記されています。また、「願事」や「恋愛」「縁談」「出産」等々のような個別の運勢についても簡略な説明がなされます。

 おみくじに用いられる和歌は多種多様ですが、当サイトでは、『小倉百人一首』の和歌、100首を用いています。新しくなった元号の「令和」という言葉は、日本の代表的古典文学である万葉集から採られたことは有名ですね。



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アマゾン商品 ◆ おみくじ占い館で利用している百人一首の和歌。

番号

作者

和歌

訳文

001

天智天皇

秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ
 わが衣手は 露にぬれつつ


 秋の田の側につくった仮小屋に泊まってみると、屋根をふいた苫の目があらいので、その隙間から忍びこむ冷たい夜露が、私の着物の袖をすっかりと濡らしてしまっているなぁ。

002

持統天皇

春すぎて 夏来にけらし 白妙の
 衣ほすてふ 天の香具山


 もう春は過ぎ去り、いつのまにか夏が来てしまったようですね。香具山には、あんなにたくさんのまっ白な着物が干されているのですから。

003

柿本人麻呂

あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の
 ながながし夜を ひとりかも寝む


 夜になると、雄と雌が離れて寝るという山鳥だが、その山鳥の長く垂れ下がった尾のように、こんなにも長い長い夜を、私もまた、(あなたと離れて)ひとり寂しく寝るのだろうか。

004

山部赤人

田子の浦に うち出でてみれば 白妙の
 富士のたかねに 雪は降りつつ


 田子の浦の海岸に出てみると、雪をかぶったまっ白な富士の山が見事に見えるが、その高い峰には、今もしきりに雪がふり続けている。(あぁ、なんと素晴らしい景色なのだろう。)

005

猿丸大夫

奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の
 声聞くときぞ 秋は悲しき


 奥深い山の中で、(一面に散りしいた)紅葉をふみわけて鳴いている鹿の声を聞くときは、この秋の寂しさが、いっそう悲しく感じられることだ。

006

中納言家持

鵲の 渡せる橋に 置く霜の
 白きを見れば 夜ぞふけにける


 かささぎが渡したという天上の橋のように見える宮中の階段であるが、その上に降りた真っ白い霜を見ると、夜も随分と更けたのだなあ。

007

阿倍仲麻呂

天の原 ふりさけ見れば 春日なる
 三笠の山に 出でし月かも


 大空を振り仰いで眺めると、美しい月が出ているが、あの月はきっと故郷である春日の三笠の山に出た月と同じ月だろう。(ああ、本当に恋しいことだなあ。)

008

喜撰法師

わが庵は 都のたつみ しかぞすむ
 世をうぢ山と 人はいふなり


 私の草庵は都の東南にあって、そこで静かにくらしている。しかし世間の人たちは(私が世の中から隠れ)この宇治の山に住んでいるのだと噂しているようだ。

009

小野小町

花の色は 移りにけりな いたづらに
 我身世にふる ながめせしまに


 花の色もすっかり色あせてしまいました。降る長雨をぼんやりと眺めいるうちに。(わたしの美しさも、その花の色のように、こんなにも褪せてしまいました。)

010

蝉丸

これやこの 行くも帰るも 別れては
 知るも知らぬも あふ坂の関


 これがあの有名な、(東国へ)下って行く人も都へ帰る人も、ここで別れてはまたここで会い、知っている人も知らない人も、またここで出会うという逢坂の関なのだなあ。

011

参議篁

わたの原 八十島かけて 漕き出でぬと
 人には告げよ あまのつりぶね


 (篁は)はるか大海原を多くの島々目指して漕ぎ出して行ったと、都にいる親しい人に告げてくれないか、そこの釣舟の漁夫よ。

012

僧正遍昭

天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ
 乙女の姿 しばしとどめむ


 空吹く風よ、雲の中にあるという(天に通じる)道を吹いて閉じてくれないか。(天に帰っていく)乙女たちの姿を、しばらくここに引き留めておきたいから。

013

陽成院

筑波嶺の みねより落つる みなの川
 恋ぞつもりて 淵となりぬる


 筑波山の峯から流れてくるみなの川も、(最初は小さなせせらぎほどだが)やがては深い淵をつくるように、私の恋もしだいに積もり、今では淵のように深いものとなってしまった。

014

河原左大臣

陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに
 乱れそめにし 我ならなくに


 奥州のしのぶもじずりの乱れ模様のように、私の心も(恋のために)乱れていますが、いったい誰のためにこのように思い乱れているのでしょう。 (きっとあなたの所為に違いありません。)

015

光孝天皇

君がため 春の野にいでて 若菜摘む
 わが衣手に 雪は降りつつ


 あなたのために春の野に出て若菜を摘んでいましたが、春だというのにちらちらと雪が降ってきて、私の着物の袖にも雪が降りかかっています。 (それでも、あなたのことを思いながら、こうして若菜を摘んでいるのです。)

016

中納言行平

立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる
 まつとし聞かば 今帰り来む


 あなたと別れて(因幡の国へ)行くけれども、稲葉の山の峰に生えている松のように、あなたが待っていると聞いたなら、すぐにも都に帰ってまいりましょう。

017

在原業平朝臣

ちはやぶる 神代もきかず 竜田川
 からくれなゐに 水くくるとは


 (川面に紅葉が流れていますが)神代の時代にさえこんなことは聞いたことがありません。竜田川一面に紅葉が散りしいて、流れる水を鮮やかな紅の色に染めあげるなどということは。

018

藤原敏行朝臣

住の江の 岸に寄る波 よるさへや
 夢のかよひ路 人目よくらむ


 住の江の岸に打ち寄せる波のように (いつもあなたに会いたいのだが)、 どうして夜の夢の中でさえ、あなたは人目をはばかって会ってはくれないのだろう。

019

伊勢

難波潟 短かき蘆の 節の間も
 逢はでこの世を 過ぐしてよとや


 難波潟の入り江に茂っている芦の、短い節と節の間のような短い時間でさえお会いしたいのに、それも叶わず、この世を過していけとおっしゃるのでしょうか。

020

元良親王

わびぬれば 今はた同じ 難波なる
 身をつくしても 逢はむとぞ思ふ


 あなたにお逢いできなくて) このように思いわびて暮らしていると、今はもう身を捨てたのと同じことです。いっそのこと、あの難波のみおつくしのように、この身を捨ててもお会いしたいと思っています。


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021

素性法師

今来むと いひしばかりに 長月の
 有明の月を 待ち出でつるかな


 「今すぐに行きましょう」とあなたがおっしゃったので、(その言葉を信じて) 九月の長い夜を待っていましたが、とうとう有明の月が出る頃を迎えてしまいました。

022

文屋康秀

吹くからに 秋の草木の しをるれば
 むべ山風を あらしといふらむ


 山風が吹きおろしてくると、たちまち秋の草や木が萎れてしまうので、きっと山風のことを「嵐(荒らし)」いうのだろう。

023

大江千里

月見れば ちぢに物こそ 悲しけれ
 わが身ひとつの 秋にはあらねど


 秋の月を眺めてていると、様々と思い起こされ物悲しいことです。秋はわたしひとりだけにやって来たのではないのですが。

024

菅家

このたびは ぬさもとりあへず 手向山
 紅葉のにしき 神のまにまに


 今度の旅は急いで発ちましたので、捧げるぬさを用意することも出来ませんでした。しかし、この手向山の美しい紅葉をぬさとして捧げますので、どうかお心のままにお受け取りください。

025

三条右大臣

名にし負はば 逢坂山の さねかづら
 人に知られで くるよしもがな


 「逢う」という名の逢坂山、「さ寝」という名のさねかずらが、その名に違わぬのであれば、逢坂山のさねかずらを手繰り寄せるように、あなたのもとにいく方法を知りたいものです。

026

貞信公

小倉山 峰の紅葉ば 心あらば
 今ひとたびの みゆき待たなむ


 小倉山の峰の美しい紅葉の葉よ、もしお前に哀れむ心があるならば、散るのを急がず、もう一度の行幸をお待ち申していてくれないか。

027

中納言兼輔

みかの原 わきて流るる いづみ川
 いつ見きとてか 恋しかるらむ


 みかの原を湧き出て流れる泉川よ、(その「いつ」という言葉ではないが) その人をいつ見たといっては、恋しく思ってしまう。本当は一度たりとも見たこともないのに。

028

源宗于朝臣

山里は 冬ぞさびしさ まさりける
 人目も草も かれぬと思へば


 山里はいつの季節でも寂しいが、冬はとりわけ寂しく感じられる。尋ねてくれる人も途絶え、慰めの草も枯れてしまうのだと思うと。

029

凡河内躬恒

心あてに 折らばや折らむ 初霜の
 置きまどはせる 白菊の花


 無造作に折ろうとすれば、果たして折れるだろうか。一面に降りた初霜の白さに、いずれが霜か白菊の花か見分けもつかないほどなのに。

030

壬生忠岑

有明の つれなく見えし 別れより
 暁ばかり 憂きものはなし


 あなたと別れたあの時も、有明の月が残っていましたが、(別れの時のあなたはその有明の月のようにつれないものでしたが) あなたと別れてからというもの、今でも有明の月がかかる夜明けほどつらいものはありません。

031

坂上是則

朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに
 吉野の里に 降れる白雪


 夜が明ける頃あたりを見てみると、まるで有明の月が照らしているのかと思うほどに、吉野の里には白雪が降り積もっているではないか。

032

春道列樹

山川に 風のかけたる しがらみは
 流れもあへぬ 紅葉なりけり


 山あいの谷川に、風が架け渡したなんとも美しい柵があったのだが、それは (吹き散らされたままに) 流れきれずにいる紅葉であったではないか。

033

紀友則

久方の 光のどけき 春の日に
 しづ心なく 花の散るらむ


 こんなにも日の光が降りそそいでいるのどかな春の日であるのに、どうして落着いた心もなく、花は散っていくのだろうか。

034

藤原興風

誰をかも 知る人にせむ 高砂の
 松も昔の 友ならなくに


 (友達は次々と亡くなってしまったが) これから誰を友とすればいいのだろう。馴染みあるこの高砂の松でさえ、昔からの友ではないのだから。

035

紀貫之

人はいさ 心も知らず ふるさとは
 花ぞ昔の 香ににほひける


 さて、あなたの心は昔のままであるかどうか分かりません。しかし馴染み深いこの里では、花は昔のままの香りで美しく咲きにおっているではありませんか。(あなたの心も昔のままですよね。)

036

清原深養父

夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを
 雲のいづこに 月宿るらむ


 夏の夜は、まだ宵のうちだと思っているのに明けてしまったが、(こんなにも早く夜明けが来れば、月はまだ空に残っているだろうが) いったい月は雲のどの辺りに宿をとっているのだろうか。

037

文屋朝康

白露に 風の吹きしく 秋の野は
 つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける


 (草葉の上に落ちた) 白露に風がしきりに吹きつけている秋の野のさまは、まるで糸に通してとめてない玉が、美しく散り乱れているようではないか。

038

右近

忘らるる 身をば思はず 誓ひてし
 人の命の 惜しくもあるかな


 あなたに忘れられる我が身のことは何ほどのこともありませんが、ただ神にかけて (わたしをいつまでも愛してくださると) 誓ったあなたの命が、はたして神罰を受けはしないかと、借しく思われてなりません。

039

参議等

浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど
 あまりてなどか 人の恋しき


 浅茅の生えた寂しく忍ぶ小野の篠原ではありませんが、あなたへの思いを忍んではいますが、もう忍びきることは出来ません。どうしてこのようにあなたが恋しいのでしょうか。

040

平兼盛

忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は
 物や思ふと 人の問ふまで


 人に知られまいと恋しい思いを隠していたけれど、、とうとう隠し切れずに顔色に出てしまったことだ。何か物思いをしているのではと、人が尋ねるほどまでに。


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041

壬生忠見

恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり
 人知れずこそ 思ひそめしか


 わたしが恋をしているという噂が、もう世間の人たちの間には広まってしまったようだ。人には知られないよう、密かに思いはじめたばかりなのに。

042

清原元輔

契りきな かたみに袖を しぼりつつ
 末の松山 波こさじとは


 かたく約束を交わしましたね。互いに涙で濡れた袖をしぼりながら、波があの末の松山を決して越すことがないように、二人の仲も決して変わることはありますまいと。

043

権中納言敦忠

逢ひ見ての 後の心に くらぶれば
 昔は物を 思はざりけり


 このようにあなたに逢ってからの今の苦しい恋心にくらべると、会いたいと思っていた昔の恋心の苦しみなどは、何も物思いなどしなかったも同じようなものです。

044

中納言朝忠

逢ふことの 絶えてしなくば なかなかに
 人をも身をも 恨みざらまし


 あなたと会うことが一度もなかったのならば、むしろあなたのつれなさも、わたしの身の不幸も、こんなに恨むことはなかったでしょうに。(あなたに会ってしまったばっかりに、この苦しみは深まるばかりです。)

045

謙徳公

哀れとも いふべき人は 思ほえで
 身のいたづらに なりぬべきかな


 (あなたに見捨てられた) わたしを哀れだと同情を向けてくれそうな人も、今はいように思えません。(このままあなたを恋しながら) 自分の身がむなしく消えていく日を、どうすることもできず、ただ待っているわたしなのです。

046

曽禰好忠

由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え
 ゆくへも知らぬ 恋の道かな


 由良の海峡を渡る船人が、かいをなくして、行く先も決まらぬままに波間に漂っているように、わたしたちの恋の行方も、どこへ漂っていくのか思い迷っているものだ。

047

恵慶法師

八重むぐら しげれる宿の さびしきに
 人こそ見えね 秋は来にけり


 このような、幾重にも雑草の生い茂った宿は荒れて寂しく、人は誰も訪ねてはこないが、ここにも秋だけは訪れるようだ。

048

源重之

風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ
 くだけて物を 思ふころかな


 風がとても強いので、岩に打ちつける波が、自分ばかりが砕け散ってしまうように、(あなたがとてもつれないので) わたしの心は (恋に悩み) 砕け散るばかりのこの頃です。

049

大中臣能宣朝臣

みかきもり 衛士のたく火の 夜はもえ
 昼は消えつつ 物をこそ思へ


 禁中の御垣を守る衛士のかがり火は、夜は赤々と燃えているが、昼間は消えるようになって、まるで、(夜は情熱に燃え、昼間は思い悩んでいる) わたしの恋の苦しみのようではないか。

050

藤原義孝

君がため 惜しからざりし 命さへ
 長くもがなと 思ひけるかな


 あなたに会うためなら惜しいとは思わなかった私の命ですが、こうしてあなたと会うことができた今は、いつまでも生きていたいと思っています。

051

藤原実方朝臣

かくとだに えやはいぶきの さしも草
 さしもしらじな 燃ゆる思ひを


 これほどまで、あなたを思っているということさえ打ち明けることができずにいるのですから、ましてや伊吹山のさしも草が燃えるように、私の思いもこんなに激しく燃えているとは、あなたは知らないことでしょう。

052

藤原道信朝臣

明けぬれば 暮るるものとは 知りながら
 なほ恨めしき 朝ぼらけかな


 夜が明ければ、やがてはまた日が暮れてあなたに会えるものだと分かってはいても、やはりあなたと別れる夜明けは、恨めしく思われるものです。

053

右大将道綱母

嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は
 いかに久しき ものとかは知る


 (あなたが来てくださらないことを) 嘆き哀しみながらひとりで夜をすごす私にとって、夜が明けるのがどれほど長く感じられるものか、あなたはいったいご存じなのでしょうか。

054

儀同三司母

忘れじの 行末までは かたければ
 今日を限りの 命ともがな


 いつまでも忘れまいとすることは、遠い将来まではとても難しいものですから、(あなたの心変わりを見るよりも早く) いっそのこと、今日を最後に私の命が終わって欲しいものです。

055

大納言公任

滝の音は 絶えて久しく なりぬれど
 名こそ流れて なほ聞えけれ


 水の流れが絶えて滝音が聞こえなくなってから、もう長い月日が過ぎてしまったが、(見事な滝であったと) その名は今も伝えられ、よく世間にも知れ渡っていることだ。

056

和泉式部

あらざらむ この世のほかの 思ひ出に
 いまひとたびの 逢ふこともがな


 私はもうすぐ死んでしまうことでしょうが、私のあの世への思い出になるように、せめてもう一度なりともあなたにお会いしたいのです。

057

紫式部

めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に
 雲隠れにし 夜半の月かな


 久しぶりにめぐり会ったのに、それがあなたかどうかも分からない間に帰ってしまうなど、まるで (早くも) 雲に 隠れてしまった夜中の月のようではありませんか。

058

大弐三位

有馬山 猪名の笹原 風吹けば
 いでそよ人を 忘れやはする


 有馬山のふもとにある猪名の笹原に風が吹くと、笹の葉がそよそよと鳴りますが、そうです、その音のように、 どうしてあなたを忘れたりするも のでしょうか。

059

赤染衛門

やすらはで 寝なましものを 小夜更けて
 かたぶくまでの 月を見しかな


 (あなたが来ないと知っていたら) さっさと寝てしまえばよかったものを、(あなたの約束を信じて待っていたら) とうとう明け方の月が西に傾くまで眺めてしまいました。

060

小式部内侍

大江山 いく野の道の 遠ければ
 まだふみも見ず 天の橋立


 (母のいる丹後の国へは) 大江山を越え、生野を通って行かなければならない遠い道なので、まだ天橋立へは行ったことがありません。 (ですから、そこに住む母からの手紙など、まだ見ようはずもありません。)


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061

伊勢大輔

いにしへの 奈良の都の 八重桜
 けふ九重に にほひぬるかな


 昔、奈良の都で咲き誇っていた八重桜が、今日はこの宮中で、いっそう美しく咲き誇っているではありませんか。

062

清少納言

夜をこめて 鳥の空音は はかるとも
 よに逢坂の 関はゆるさじ


 夜の明けないうちに、鶏の鳴き声を真似て夜明けたとだまそうとしても、(あの中国の函谷関ならいざ知らず、あなたとわたしの間にある) この逢坂(おおさか)の関は、決して開くことはありません。

063

左京大夫道雅

今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを
 人づてならで いふよしもがな


 今はもう、あなたのことはきっぱりと思い切ってしまおうと決めましたが、そのことだけを人づてでなく、直接 あなたに伝える方法があればいいのですが。

064

権中納言定頼

朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに
 あらはれわたる 瀬々の網代木


 ほのぼのと夜が明けるころ、宇治川に立ちこめた川霧が切れ切れに晴れてきて、瀬ごとに立っている網代木が次第にあらわれてくる景色は、何ともおもしろいものではないか。

065

相模

恨みわび ほさぬ袖だに あるものを
 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ


 あなたの冷たさを恨み、流す涙でかわくひまさえもない袖でさえ口惜いのに、こ の恋のために、(つまらぬ噂で) わたしの名が落ちてしまうのは、なんとも口惜しいことです。

066

前大僧正行尊 

もろともに あはれと思へ 山桜
 花よりほかに 知る人もなし


 私がおまえを愛しむように、おまえも私を愛しいと 思ってくれよ、山桜。 (こんな山奥では) おまえの他には私を知る人は誰もいないのだから。

067

周防内侍

春の夜の 夢ばかりなる 手枕に
 かひなく立たむ 名こそをしけれ


 春の夜のはかない夢のように、(僅かばかりの時間でも) あなたの腕を枕にしたりして、それでつまらない噂が立つことにでもなれば、それがまことに残念なのです。

068

三条院

心にも あらでうき世に ながらへば
 恋しかるべき 夜半の月かな


 (もはやこの世に望みもないが) 心にもなく、このつらい浮世を生きながらえたなら、さぞかしこの宮中で見た夜の月が恋しく思 い出されることであろうなぁ。

069

能因法師

嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は
 竜田の川の 錦なりけり


 嵐が吹き散らした三室の山の紅葉の葉が、龍田川 に一面に散っているが、まるで錦の織物のように美しいではないか。

070

良選法師

さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば
 いづくも同じ 秋の夕暮


 寂しくて家を出てあたりを眺めてはみたが、この秋の夕暮れの寂しさはどこも同じであるものだ。

071

大納言経信

夕されば 門田の稲葉 おとづれて
 蘆のまろやに 秋風ぞ吹く


 夕方になると、家の前にある田の稲葉を音をたてて、 葦葺きのそまつな小屋に秋風が吹き訪れることよ。

072

祐子内親王家紀伊

音に聞く 高師の浜の あだ波は
 かけじや袖の ぬれもこそすれ


 評判の高い高師の浜の寄せてはかえす波で、 袖を濡らさないようにしましょう。(移り気だと、噂の高いあなたに思いをかけて、わたしの袖を濡らさないように)

073

前権中納言匡房

高砂の 尾上の桜 咲きにけり
 外山の霞 立たずもあらなむ


 高砂の峰にも桜の花が咲いたようだから、(その桜を見たいので) 手前の山の霞よ、どうか立たないようにしてくれないか。

074

源俊頼朝臣

憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ
 はげしかれとは 祈らぬものを


 私に冷たかった人の心が変わるようにと、初瀬の観音さまにお祈りしたのだが、初瀬の山おろしよ、そのようにあの人の冷たさがいっそう激しくなれとは祈らなかったではないか…

075

藤原基俊

契りおきし させもが露を 命にて
 あはれ今年の 秋もいぬめり


 あなたが約束してくださった、させも草についた恵みの露のような言葉を、命のように恃んでおりましたが、それもむなしく、今年の秋もすぎてしまうようです。

076

法性寺入道前関白太政大臣

わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの
 雲居にまがふ 沖つ白波


 大海原に船を漕ぎ出してみると、遠くの方では、雲と見わけがつかないような白波が立っているのが見える。(まことにおもしろい眺めではないか。)

077

崇徳院

瀬を早み 岩にせかるる 滝川の
 われても末に 逢はむとぞ思ふ


 川の流れが早いので、岩にせき止められた急流が時にはふたつに分かれても、またひとつになるように、わたし達の間も、(今はたとえ人にせき止められていようとも)後にはきっと結ばれるものと思っています。

078

源兼昌

淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に
 幾夜寝覚めぬ 須磨の関守


 淡路島から通ってくる千鳥の鳴き声に、幾晩目を覚ましたことであろうか、この須磨の関の関守は…。

079

左京大夫顕輔

秋風に たなびく雲の 絶え間より
 もれ出づる月の 影のさやけさ


 秋風に吹かれてたなびいている雲の切れ間から、もれでてくる月の光は、なんと清らかで澄みきっていることであろう。

080

待賢門院堀河

長からむ 心も知らず 黒髪の
 乱れて今朝は 物をこそ思へ


 あなたの心は末永くまで決して変わらないかどうか、わたしの黒髪が乱れているように、わたしの心も乱れて、今朝は物思いに沈んでおります。


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081

後徳大寺左大臣

ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば
 ただ有明の 月ぞ残れ


 ほととぎすの鳴き声が聞こえたので、その方に目をやってみたが、(その姿はもう見えず) 空には有明の月が残っているばかりであった。

082

道因法師

思ひわび さても命は あるものを
 憂きに堪へぬは 涙なりけり


 つれない人のことを思い、これほど悩み苦しんでいても、命だけはどうにかあるものの、この辛さに耐えかねるのは (次から次へと流れる) 涙であることだ。

083

皇太后宮大夫俊成 

世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る
 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる


 世の中というものは逃れる道がないものだ。(この山奥に逃れてきたものの) この山奥でも、(辛いことがあったのか) 鹿が鳴いているではないか。

084

藤原清輔朝臣

長らへば またこのごろや しのばれむ
 憂しと見し世ぞ 今は恋しき


 この先生きながらえるならば、今のつらいことなども懐かしく思い出されるのだろうか。昔は辛いと思っていたことが、今では懐かしく思い出されるのだから。

085

俊恵法師

夜もすがら 物思ふころは 明けやらで
 閨のひまさへ つれなかりけり


 一晩中恋しい人を思って悩んでいるので、早く夜が明けたらよいと思っているのですが、なかなか夜は明けず、寝室の隙間さえもわたしにつれなく感じられます。

086

西行法師

嘆けとて 月やは物を 思はする
 かこち顔なる わが涙かな


 嘆き悲しめと月はわたしに物思いをさせるのだろうか。 いや、そうではあるまい。本当は恋の悩みの所為なのに、まるで月の仕業であるかのように流れるわたしの涙ではないか。

087

寂蓮法師

村雨の 露もまだひぬ 槇の葉に
 霧たちのぼる 秋の夕ぐれ


 あわただしく通り過ぎたにわか雨が残した露もまだ乾ききらないのに、槇の葉にはもう霧が立ちのぼっていく秋の夕暮れである。(なんとももの寂しいことではないか。)

088

皇嘉門院別当

難波江の 蘆のかりねの ひとよゆゑ
 みをつくしてや 恋ひわたるべき


 難波の入江に生えている、芦を刈った根のひと節ほどの短いひと夜でしたが、わたしはこれからこの身をつくして、あなたに恋しなければならないのでしょうか。

089

式子内親王

玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば
 忍ぶることの 弱りもぞする


 わたしの命よ、絶えることなら早く絶えてほしい。このまま生きながらえていると、耐え忍んでいるわたしの心も弱くなってしまい、 秘めている思いが人に知られてしまうことになろうから。

090

殷富門院大輔

見せばやな 雄島のあまの 袖だにも
 濡れにぞ濡れし 色はかはらず


 (涙で色が変わってしまった) わたしの袖をあなたにお見せしたいものです。あの雄島の漁夫の袖でさえ、毎日波しぶきに濡れていても、少しも変わらないものなのに。

091

後京極摂政前太政大臣 

きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに
 衣片敷き ひとりかも寝む


 こおろぎがしきりに鳴いている霜の降るこの寒い夜に、むしろの上に衣の片袖を敷いて、わたしはたったひとり寂しく寝るのだろうか。

092

二条院讃岐

わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の
 人こそ知らね 乾く間もな


 わたしの袖は、潮が引いたときも水面に見えない沖にあるあの石のように、人は知らないでしょうが、(恋のために流す涙で) 乾くひまさえありません。

093

鎌倉右大臣

世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ
 あまの小舟の 綱手かなしも


 この世の中はいつまでも変わらないでいてほしいものだ。渚にそって漕いでいる、漁師の小船をひき綱で引いている風情はいいものだからなぁ…

094

参議雅経

み吉野の 山の秋風 小夜ふけて
 ふるさと寒く 衣うつなり


 吉野の山の秋風に、夜もしだいに更けてきて、都があったこの里では、衣をうつ砧(きぬた)の音が寒々と身にしみてくることだ。

095

前大僧正慈円

おほけなく うき世の民に おほふかな
 わがたつ杣に 墨染の袖


 身のほど知らずと言われるかもしれないが、(この悲しみに満ちた) 世の中の人々の上に、墨染の袖を被いかけよう。 (比叡山に出家したわたしが平穏を願って)

096

入道前太政大臣

花さそふ 嵐の庭の 雪ならで
 ふりゆくものは わが身なりけり


 (降っているのは) 嵐が庭に散らしている花吹雪ではなくて、降っているのは、実は歳をとっていくわが身なのだなぁ。

097

権中納言定家

来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに
 焼くや藻塩の 身もこがれつつ


 どれほど待っても来ない人を待ち焦がれているのは、松帆の浦の夕凪のころに焼かれる藻塩のように、わが身も恋い焦がれて苦しいものだ。

098

従二位家隆

風そよぐ ならの小川の 夕暮は
 みそぎぞ夏の しるしなりける


 風がそよそよと楢(なら)の葉を吹きわたるこのならの小川の夕方は、(もうすっかりと秋のような気配だが) 川辺の禊祓(みそぎはらい)を見ると、まだ夏であるのだなぁ。

099

後鳥羽院

人もをし 人もうらめし あぢきなく
 世を思ふゆゑに 物思ふ身は


 人が愛しくも思われ、また恨めしく思われたりするのは、(歎かわしいことではあるが) この世をつまらなく思う、もの思いをする自分にあるのだなぁ。

100

順徳院

ももしきや 古き軒端の しのぶにも
 なほあまりある 昔なりけり


 宮中の古びた軒から下がっている忍ぶ草を見ていても、しのんでもしのびつくせないほど思い慕われてくるのは、古きよき時代のことだよ。


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